ロシアフィギュアスケートのザギトワ選手が家族に迎え入れた秋田犬のマサル。到着してご対面すると同時に、顔を舐めていましたね。
なんだか舐められると、好かれているんだなと実感しませんか?
実は、犬が口や顔、手や足など様々な場所を 舐めるのには理由があるんです。
好きという愛情表現だけではない、犬が人を舐める理由、また舐められた時に注意すべきことなど、犬とのスキンシップについてお話ししたいと思います。
犬が飼い主をペロペロ舐めるのは何故?舐めるのには理由があるの?
自分の愛犬がペロペロと顔や口を舐めてきた!すごいかわいいし愛おしい気持ちになりますよね!
愛情表現かと感じますが、 それって本当に愛情表現だけなのでしょうか?
実は、犬が舐めるのには理由があるんです!その理由をご紹介します。
飼い主に愛情を表現している
舐める行為、その大半は愛情表現が理由で、これは犬が本能として行ってきた行為なんです。
昔から自分が尊敬と愛情を表現する行為として行われていたことと、母犬から舐められたり、食べやすいように咀嚼した物を吐き出して与えられていたことなどから、母犬の愛情を感じるところが口であったとも言われています。
犬が舐める=愛情へ表現なので、嫌がらないであげてくださいね!
飼い主に何かを求めている
大半が愛情表現として舐める行為をしていますが、飼い主に何かを求めているということも考えれます。
例えば、もっと遊んで欲しいであったり、餌やおやつが欲しいという欲求を言葉で表せない分、舐めてわかってもらおうとしているのです。
犬に何らかのストレスがある
またもう1つの表現理由として、ストレスを何かに感じており、それを飼い主さんにわかってもらおうとしていることもあります。
何かを不快に感じている、恐怖心などから飼い主さんを舐めることにより安心したい、落ち着きたい!という気持ちの表れという 場合もあります。
犬が飼い主を舐める時の気持ちとは?舐める場所で意味が違う?
犬の様々な気持ちを表している「舐める」という行為ですが、実は、舐める場所によって表現している気持ちが違うのです。
愛犬が何を求めているのか、これを知っているとよくわかりますよ!
「口」を舐める:大好きな飼い主に、敬意と愛情を伝えている
飼い主さんの「口や顔周り」を舐めてきた場合は、尊敬・愛情を表現しています。
先ほども少しお話ししましたが、昔から犬は 自分の飼い主であったり、飼い主の家族で自分より上だと思っている人に対して、敬意と愛情を伝える手段として、 口や顔を舐めるという行為をしていました。その名残が今も残っているんですね。
「手」を舐める:飼い主の体温が心地よく、安心してリラックスしている
「手」を舐めるのは、犬がリラックス・安心している時です。
犬は飼い主さんに撫でられたりすることによって安心感を得ますが、手を舐める時は自分から安心感を求めている時でもあります。
飼い主さんの体温と匂いを一度に感じることのできる手は犬にとって、安心感があり、リラックスさせてくれる部位なのです。
初めて会う人や、興味を示した人にも同じことをしますが、その場合はこの人はリラックスできる人か、安心できる人かを確認するために嗅いでいるのです。
「足」を舐める:遊んで欲しい時のサイン、飼い主の情報を得ようとしている
「足」を舐める場合は、遊んで欲しい、かまってほしいという意味と、飼い主さんがどこに行ってきたのかなどの情報を得ようとしている場合があります。
とにかくかまってもらいたい、飼い主さんの気をひきたいという気持ちが出ているのです。
こんなことをされては、遊ばずにはいられませんよね!用事を後にして是非遊んであげてください!
「腕・脚」を舐める:じゃれている場合もあるが、ストレス行動の可能性もある
腕や脚を舐めてくる場合は、足同様遊んでほしいという気持ちの表れでもありますが、伺っているという可能性もあります。
まだ飼い主さんとの距離が縮まっていない時、また初めて会う人など、不安が多い、この人は本当に自分に危害を加えないかなど 心配している場合に腕や脚を舐めることが多いのです。
また強迫性障害といい強いストレスに、不安が犬に発生している場合、和らげようと意味もなく腕や脚を舐め続けることがあります。
気づけばとにかく舐める場合は、犬にストレスがないかを考え一度お医者さんに相談してみるのもいいでしょう。
犬が口や顔を舐めてきた時に注意すべきこと!感染症もある?
犬が顔を舐めてきたら、かわいいし、ついつい止めずに舐めさせてしまいますよね。
かわいい犬 ですが、考えてみればいろんなところを舐めています。
挨拶に他の犬のおしり、地面などなど・・・実は、犬のお口には人に 感染してしまうウィルスもあるのです。
注意すべき、感染症についてお話ししましょう。
人畜共通感染症:犬と人間の間の感染症で、特に経口感染には要注意
人畜共通感染症(ズーノーシス)と呼ばれる感染症は、犬から人間に感染します。名前の通り、動物も人も共通して感染する 病気です。
世界にはこの人畜共通感染症が300種類ほど発見されており、日本では約100種類発見されています。
犬にとっては常時いる菌でも、人間にとっては馴染みのない菌のため、人間の免疫力が弱った時や傷口などから感染し症状がでることが あります。
一番の感染経路はやはり犬から傷口を舐められた、口などを舐められたことからのケースが多いので、 飼い主さんもですが、人を舐めていたら止めましょう。
パスツレラ症:高齢者や赤ちゃんなど、免疫力の弱い人に発症しやすい
人畜共通感染症の中でも、最も多いのが、パスツレラ症です。
パスツレラ・ムルトシダという菌が原因なのですが、この菌は 犬の口には高確率で保菌されています。
犬にとっても何の症状も出ないのですが、人に感染すると約30分〜数時間で、 傷口の腫れや痛み、気管支肺炎、風邪のような症状がみられます。
ひどい場合は死にいたるケースもありますので、 症状がみられた場合はすぐにお医者さんに診てもらいましょう。
高齢者や赤ちゃん、妊婦さんなど免疫力が弱っている人は とくに注意してください。
まとめ
犬が舐める行為は、愛情表現であったり、ストレス、遊んでほしいなど、鳴くのと同じコミュニケーションツールです。
自分のどこを舐めているかで、犬の気持ちを理解できるのは、飼い主さんとしてはうれしいですよね。
しかし、犬が保有している菌と人間が保有している菌では違っており、舐めるという行為により感染してしまうことが あります。
飼い主さん自身もですが、お散歩途中に免疫力の弱い妊婦さんや高齢者などを舐めてしまわないように気をつけましょう!